《7》整音作業から見た音色要素および音色要因要素一覧表
《2》〜《6》で述べた音色要素群、要因要素群を一覧表にすると次のごとくになる。
《T群》音色要素群
(1) 整音作業によって変化する音色要素
静体要素
θ 母音(音の閉じ具合)
r 円やかさ
s 質感(艶)
d 力強さ ( 音の芯 )
ε 基音振動エネルギーへの変換効率 ( 含、コクと旨味 )
b コクと旨味成分bはεの中に潜んでいる。 ( ε∈b )
f 香りの濃度
Γ(a,b,c,d,〜) θ〜f 以外の静体要素群
動体要素
v 音量の推移、 音の伸び
Δ(a,b,c,d〜) v以外の動体要素群
(2) 整音作業を施しても変化しない音色要素
静体要素
F 香りの種類
R 香りの品位の上限
e ユニゾンの微妙なズレによる音色変化(e=1、e≒1の場合、eは静体要素
として働く)
Π(a,b,c,d〜) F、R、e、以外の静体要素群
動体要素
Σ(a,b,c,d〜)
(3) 整音作業を施しても変化しない負の音色要素
静体要素
N ノイズ(ハンマーフェルトに起因しないもの
C 音の濁り
Ω(a,b,c,d〜) N、C以外の静体要素群
動体要素
音像の歪み(ひなり音、単弦うなり)
e´ ( 注2)参照
《U群》要因要素群
音色に作用する要因要素群
整音要因要素群 V(a,b,c,d〜)(注1)
設計要因要素群 O(a,b,c,d〜)
材料要因要素群 M(a,b,c,d〜)
整調要因要素群 A(a,b,c,d〜)
打弦要因要素群 H(a,b,c,d〜)
調律要因要素群 T(a,b,c,d〜)(注2)
環境要因要素群 I(a,b,c,d〜)
上記以外の要因要素群 Φ(a,b,c,d〜)
音色を劣化させる要因要素群
劣化要因要素 D(a,b,c,d〜)
(故障、にかわ剥がれ、弦の錆など)
(注1) Vはハンマーヘッドに因る要因であるので本来はMに属するが今回は整音を主
体に音色の変化を考察しているのであえて別記した。
(注2) eは静体要素と負の動体要因要素と二つの性格を持ち合わせている。
1≧e≧e≒1の場合、e は静体要素
e≒1>e>0の場合、e は負の動体要素 (e´と表記する)